さて、抗がん剤治療もだんだん進んできて手術のこととか気になってきた
そこで出てくるのが手術法と腋窩リンパ節郭清（かくせい）
そしてセンチネルリンパ節生検！！
手術法（術式）については、初回の診察で
全摘で！！
といった私に
今はいい放射線の機械もあるし、部分摘出でいいよ
とあっさりと患者の希望をポイしてきたのでｗ
私の治療法は部分摘出（乳房部分切除術）となったのでした
自動で部分摘出となった私、一応最初のころの画像検査ではリンパ節への転移は疑われないとのこと
ふむふむ、でも腋窩リンパ節郭清はやるのかな？
センチネルリンパ節生検？はやるのかな？？
どれどれしらべてみよう！
まず腋窩リンパ節郭清とは？
まず、腋窩リンパ節郭清とは
乳がんの手術の時に、リンパ節にがんの転移がありそうなときは、
その腋窩リンパ節を手術でとっちゃう
それを腋窩リンパ節郭清というと
それはリンパ節から全身へのがん細胞の転移を防ぐのが目的
あとはリンパ節を検査して診断に役立てること
で、昔は問答無用にごっそりとリンパ節も胸筋も乳腺と一緒に取っていたと
でも、ダメージが凄くって
リンパ節を取ると 後遺症が凄いと
それで、転移の可能性が低い人はメリットが少ないから
どうにかやらなくていい方法ないかな～って考えられたのが
センチネルリンパ節生検
っていう方法、てことですね。
というかどんくらい後遺症凄いんだろう、怖いっ…
腋窩リンパ節郭清にはレベルがある
腋窩リンパ節郭清はレベルのⅠ～Ⅲまであって、
リンパ節転移がしやすいほうから順番に１，２，３となってる
で、そのレベルⅢを取ると特に後遺症がドーンと出やすくなると
なので多くの病院では、なるべく腋窩リンパ節郭清をレベルⅡまでにとどめて
レベルⅢは術中に触って腫れていたら、そこまでとると
リンパ節を取るにしても、どのくらい取るかはそれぞれ違うわけですね
腋窩リンパ節郭清の後遺症
で、その後遺症がどんなものがあってどのくらいの確率で起こるのか
ちょっと知っておきたい
ということで
ナグモクリニックのページより参照
リンパ漏 腋窩郭清をしたときには切断されたリンパ管からリンパ液が漏れ、脇の下に溜まります。そのためリンパ液を吸引するドレーンという管が挿入されます。ドレーンを抜いたあとも脇の下にリンパ液が溜まるため、外来で注射器で抜くことがあります。
術後感染症 溜まったリンパ液に感染を起こすことがあります（５～14％）。
神経障害 脇の下から上腕の内側に行く知覚神経が傷つきます。それによって耐えがたい痛み（４～６％）、上腕の内側や肩甲骨のしびれ感（80％）が生じます。
肩関節の運動障害 手が上がりにくくなります（17％）（信頼度３）。
リンパ浮腫 腕全体がむくみ、それが一生続きます（11～27％）（信頼度３）
https://www.saiken.info/index4.html
上腕の内側や肩甲骨のしびれ感は８０％かぁ ほとんどだね(´;ω;｀)
あと、太字になっているのがリンパ浮腫
腕全体のむくみが一生続くって 大変(´;ω;｀)
どんなものなんだろう
このページに写真が載っているけど、片方の手だけめちゃくちゃぶっとくなってる！
これはこまるなぁ、
しかも発症する時期に個人差があって、手術後１年くらいのこともあれば１０年後に発症することもあるとのこと
何かの炎症がきっかけで起こる場合や、重い荷物を持つなど無理をして発症することも
私は利き手側が乳がんなので、これになるととても困る！！
センチネルリンパ節生検
で、そんなわけで後遺症も生活に支障をきたすし
なるべく郭清しなくていいように、センチネルリンパ節生検がはじまったわけですね
センチネルリンパ節生検とは、手術前もしくは手術中に 一番最初に乳がん細胞がとんでくるとされる
センチネルリンパ節というリンパ節を数個取って検査することをいいます
センチネルリンパ節とは、リンパ管に入ったがん細胞が最初にたどり着く腋窩リンパ節のことで、がんのリンパ節への転移を見張っているという意味で”見張りリンパ節”とも呼ばれます。
https://www.nyugan.jp/her2-positive/pre-ope/lymph-node/
そこにがん細胞がなかったら（もしくは条件によって少しならあっても）
腋窩リンパ節郭清を省略できる
ってことですね
センチネルリンパ節生検をやって、セーフの人がリンパ節郭清を省略しても
問答無用にリンパ節郭清をやっても
再発率に影響はないとのこと
であれば省略できるなら省略したい！
センチネルリンパ節生検の方法は？
センチネルリンパ節の場所を特定する方法として
色素を用いる方法と、放射性同位体を用いる方法があり、それぞれ単独で行うか、併用してさらに検査精度を高める病院もあるようです
放射性物質を使う場合は特別な施設が必要なので、色素を用いる病院が多いようです
手順
術前または術中に、乳輪下に注射 （えー！！！！術中が絶対いいんですけど！！！）
色素に染まった、もしくは放射性同位体の集まったリンパ節を切除
手術中に迅速病理診断（すごいスピードでとったリンパ節の細胞をその場でチェックして）
がん細胞がなければ（もしくは少量で条件を満たせば）そのまま乳腺のみ切除
がん細胞が見つかれば腋窩リンパ節郭清も行う
手術後、急いでチェックしたリンパ節をもう一度きちんとチェックする（１か月くらいかかる）
迅速診断では大丈夫と思ってたのにそこでがん細胞が見るかることもまれにあるが、
その時は再手術することもあるが多くは放射線照射を追加で増やすことで対応する
センチネルリンパ節生検の注射、とても痛いらしいですよ……
腋窩リンパ節郭清を、センチネルリンパ節生検せずにもうやった方がいいのは
・リンパ節や遠隔への転移が明らかな人
・しこりがおおきいひと（通常３センチ以上）
・術前にリンパ節の腫れがあり、術前化学療法をやっている
・放射線治療を受けている
・妊娠中（放射線同位体を使う場合のみ）
これらの人はもう腋窩リンパ節郭清をやった方がメリットが大きいので 検査なしにやります
腋窩リンパ節郭清を省略できる条件
上の必ず腋窩リンパ節郭清をやった方がいい人に該当しなければ
センチネルリンパ節生検を勧められると思います
で、センチネルリンパ節生検の結果で 腋窩リンパ節郭清を省略できる条件は
・センチネルリンパ節生検でがん細胞の転移がない
・がん細胞の転移が２mm以下
・がん細胞の転移が２mm以上でも
①センチネルリンパ節への転移が2個以下
②乳房のしこりの大きさが5cm未満
③乳房温存手術を行い，術後に腋窩を含む放射線照射を施行
④術後薬物療法を施行
であれば腋窩リンパ節郭清を省略しても生存率は低下せず，遠隔再発率も上昇しない
ということです。
術前化学療法やったリンパ節転移を画像で疑わないひとなんですがワタシ
もしセンチネルリンパ節生検で転移があったらどうするんだろう…
ま、取ってほしいけど
臨床的にリンパ節転移陰性で術前化学療法を行った場合のセンチネルリンパ節生検は？
これは完全に自分の場合ですね
調べたところ乳癌診断ガイドライン治療編に載っていました
CQ5a 術前化学療法前後で臨床的リンパ節転移陰性乳癌に対して腋窩リンパ節郭清省略を目的としたセンチネルリンパ節生検は推奨されるか？
推 奨
https://jbcs.xsrv.jp/guidline/2018/index/gekaryoho/g2-cq-5/
・腋窩リンパ節郭清省略を目的としたセンチネルリンパ節生検を行うことを弱く推奨する。
〔推奨の強さ：2，エビデンスの強さ：弱，合意率：83％（10／12）〕
弱く推奨 ね なんのこっちゃですが
細かいところを読むと
１６個の論文集めてみたら、結構バラバラの条件だったけど 大体どれも結果は一緒で
同定率と偽陰性率は、術前に化学療法をやってないひとのセンチネルリンパ節生検と
ほとんど変わらないので
センチネルリンパ節生検をやって、腋窩リンパ節郭清を省略できるのではないでしょうか～
って書いてあると思いますｗ
同じページに
でも
臨床的にリンパ節転移陽性の時は、同定率は下がるし偽陰性は増えるから
術後にやるはずだった化学療法を省略しちゃうかもしれないので
ちょっと同じくらいの検査精度になるまでは慎重に対応したほうがいいよ
ってかいてありました
センチネルリンパ節生検で転移があっても、リンパ節を取らない？
上の条件をみると
２mmの転移があっても２個以下だったら腋窩リンパ節郭清を省略できる
ということですよね。
え、がん細胞がそこにあるってわかっているのに怖いんですけど…
というところですが
局所再発率や５年生存率に有意差はないというデータが出ました
ただし
気をつけなければいけないのは このデータが全員
乳房部分切除で、術後に放射線治療を受けているということ
（全切除だと通常放射線治療は行われないことが多い）
さらに9割以上の患者さんで、手術後にホルモン療法、あるいは抗がん薬による薬物療法が行われていること
ということで、放射線治療や抗がん剤がリンパ節のがん細胞を消しているのではないかという
予想がなされています
また、転移を２mm以下２個という条件にしているがそれが妥当かも
追加で検討がされているようです
数値などの詳しい話は がんプラスのページに載っているので
気になる方は見てみてください
もし術後の放射線治療がどんどん良くなって
腋窩リンパ節郭清を省略できるひとがひとりでもふえるといいですね
まとめ
・腋窩リンパ節郭清とは再発や転移を減らすためにわきの下のリンパ節を手術の時に取ること
・腋窩リンパ節郭清は（特にレベルⅢまでリンパ節を取ると）リンパ浮腫などの後遺症が出る可能性がある
・腋窩リンパ節郭清を省略するためにやるのがセンチネルリンパ節生検
・センチネルリンパ節生検は手術中にリンパ節を何個か取って調べる検査
・もともと転移や再発の可能性の高い人はセンチネルリンパ節生検はせずに腋窩リンパ節郭清
・センチネルリンパ節生検はがん転移がないか、もしくは少ない場合は腋窩リンパ節郭清を省略
・どうも術後に放射線治療や抗がん剤をやることで残ったがん細胞を叩いているのではないかと考えられている
にほんブログ村
ためになったと思ったらぽちっとお願いします
コメント