獣医だからちょっとわかる病気のこと。
そんな私が乳がんになったとき どうやって調べてどうやって知識をつけたか
せっかくだから共有して心配事を減らし、前向きに治療に取り組むぞ!

漏れるより入れたい、CVポート

治療

時はさかのぼり、MRIの日

実は治療法の他にもう一つ疑問をぶつけていた。それは…

CVポート

なぜCVポートが気になったのか、それは自分が仕事(獣医)の時に抗がん剤を投与したことがあるから、そして漏らすのが怖いから…

もちろん動物だから動くし血管も人間より細い。だけど勉強会で見たときのアドリアマイシン(ドキソルビシン)の血管外漏出の恐怖は忘れられないし、実際職場で投与するときもいつもドキドキである。(漏らしたことも、漏らした現場に居合わせたこともないのだけれど)

だから乳がんになって調べるうちにCVポートを比較的簡単に(ワンちゃんと比べて、ですけど)入れられると知ったときは「これはお願いしたいかも!」と思った。

だって、ドキソルビシンだし、私ルミナルHer2だから術後も(少なくとも抗Her2療法はあるし)ずっと血管使うじゃん?今まで採血しにくいといわれたことはないけれど、でも興味あるある~

ということで調べましたCVポート

まず私が恐れているのは

”乳がん治療の抗がん剤” の中でも、”点滴で入れる(血管に入れる)タイプの抗がん剤” の中でも ”血管に刺激の強い ドキソルビシン” が”万が一点滴から皮下に漏れたら…!!” の話で

そんなんめったにないんだし CVポートどうでもいいわい!と思った人もまぁちょっと待って

点滴(注射)で入れるタイプの抗がん剤を行う人なら知っておいて損はないのでCVポートのメリットデメリット アンケート結果までザーッと見ていきましょ~

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CVポートとは

点滴で入れる抗がん剤の場合、特に乳がん治療の場合 一般的なのは腕に点滴の針を入れて、流す、終わったら抜いて帰る という流れ。

大体、肘から手の甲の間のまっすぐで太めの血管に点滴を入れる。

でも入れにくい人もいるし、血管あるじゃん?って外から見て思っても、血管の中が狭くなっていたり、血管が固くなってきたりして 失敗するときもある。

細い血管だと刺激が強くて血管が痛くなることも

漏れるのも怖いし失敗も怖い 痛いのヤダ!!!

という心配を解決してくれるのが CVポート!!

CVポートのしくみ

針の刺しやすいボタンから伸びているカテーテルという、やわらかいチューブを 鎖骨の下や腕から心臓の近くまで入れておいて~ 心臓近くの太い血管にお薬をいれる~

はい文字だとわからなーい(笑)

http://chemo-support.jp/informed-consent/port/4.html より

この本体の部分が500円玉くらい 真ん中がシリコンで そこからカテーテルが伸びている

こちらも http://chemo-support.jp/informed-consent/port/4.html

こんな感じで(この絵は鎖骨の近くから)入れて、カテーテルを心臓のそばまで入れていく。

本体は皮膚の下に。

詳しく詳しく書いてあるのが化学療法サポートchemo-support.jpのページ。この画像もそこから引用。

ホントいろいろ書いてあります。

「CVポート」とは、中心静脈から薬(抗がん剤や高カロリー輸液)の点滴を行うために用いる機器の一種です。皮膚の下に埋め込んで使用します。

CVポートは、薬の注入口である「本体」と、薬の通り道である「カテーテル」とで構成されています。

カテーテルは血管内に挿入され、本体は皮膚の下に埋め込まれます。

http://chemo-support.jp/informed-consent/port/4.html 

CVポートはプチ手術で入れる

この瞬間 「はい、嫌です。」となる人いますよね~ 

ただでさえ手術せなあかんのにまた手術かーい!! でも

CVポートは30分から1時間の局所麻酔で行われます。日帰りの場合が多いようですが、1泊2日で術後の経過を診ることもあるようです。

オペ室で、処置台に寝て、注射麻酔、布を顔にかけられて…  

ぎゃー!!!

想像させるなー!! っていう方ごめんなさい。

「局所麻酔もそんなに痛くなかった!」

「先生と雑談しながらで、安心した」

などツイッターでも、そんなに怖い声は聞こえませんでしたよ!

(もともと手術とか血とか大丈夫なお前に言われても、なんの安心もせんのじゃーい ですかねw)

CVポートの使い方

CVポートの使い方は簡単。どのくらい簡単かっていうと、在宅治療の方がCVポートを使って栄養点滴をする、つまりプロじゃなくても使える。そのくらい簡単!

500円玉サイズのシリコンの部分の皮膚を消毒して、そこに専用の針を刺す 奥までしっかり刺したら(ポートの中だからコチっと針先が当たるそうです) という感じ。もちろん抗がん剤の場合は私たちが扱えるわけではないので看護師さんにやっていただくのですが!

そしてそこから点滴をしていく感じです。

針刺すのにやすやすと簡単!っていうなって感じですが!! 簡単っていうところより

ポート中は漏れの心配も少なく、腕を自由に使えるのでそれだけでもメリット大きい!!(ポートの回し者ではゴザイマセン)

抗がん剤の投与中、少しでも楽でストレスが少ないほうがいいですよね

CVポートの寿命

ところでプチ手術までして入れたコチラ、どのくらい長く使えるんでしょうか?

合併症によりCVポートが使用できなくなった時点をイベントとし、化学療法終了に伴うポート抜去や死亡例は打ち切りとして、全500例における累積使用可能率を計算すると、1年で90.7%、2年で81.2%、3年で75%となった。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000025644.html

おー、このデータは化学療法のために入れた人と家で栄養点滴を入れる人が大体半々だったので、化学療法だけだと1年、2年、3年で96.0%、90.5%、82.7%とのこと

3年間経って、8割の人が使えているのであれば 耐久性は良いのではないでしょうか!

CVポート手術の費用

CVポートを入れるプチ手術は保険適用。3割負担で目安は


・ポート挿入  約50.000円
・ポート抜去  約7.000円

病院によって日帰りの場合、1泊2日の場合など違うと思いますので詳しくは主治医に聞いてみましょう!

CVポートのメリット

今までお話ししてきたCVポート、皆さんどうでしょうか?痛みや手術が嫌な方、費用が…という方も、まずメリットをまとめてみてみましょう!

①痛み少ない~ (点滴のための針のほうが太くて、血管もさすので。ポートは皮膚だけ)

②腕を自由に動かせる(投与中、長くなると読書やスマホ、飲み物など手を使いたいところ)

③投与後の腕の内出血や痛みが(ほぼ)ない

④点滴ラインをとる失敗がない

点滴治療が辛すぎて、点滴行くメンタル落ちる方は 気が楽になる

⑥治療後の痛みで、腕に力を入れたり握ったりしにくくならない

どうですか?

ちなみに、キャンサーネットジャパンさんの調べでは

使用経験者の81%の人が、仮に再度治療をするとしたら皮下埋め込み型ポートを使用したいと答えた。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000025644.html

そうですよ!

CVポートのデメリット

では逆にデメリットは何でしょう。

①見た目 

これは痛みと同様個人差があると思いますが、先ほどのサイトでもCVポートの入った後の写真が載っています。本などでも紹介されているので検索されてもよいかと思いますが 一応リンク

これを少しだけで目立たない と感じるか 違和感を感じるかは人それぞれだと思いますが、デコルテ部分がもともとあいている服装が好きか、とかも関係ありますよね~

私は入れてもいいなぁと思いました!

②局所麻酔で手術 先ほどもお話ししました~

③まれに入れたところが反応して化膿する バイキンが入ってしまうんですね

④長く使っていると血栓が詰まったりする(結局とりかえる)

⑤抗がん剤が漏れることもゼロではない

見た目や費用は仕方がないとして、合併症はどうなんでしょう?

CVポートの合併症

留置時の合併症は1.4%に発現し、気胸が1.2%、カテーテルの血管内迷入が0.2%だった。気胸で胸腔ドレナージが必要となったのは2例だった。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jsmo2012/201207/526098.html

プチ手術中に起こる合併症の確率はこのくらい。

留置後の合併症は43例(8.6%)に発現し、このうち38/43例でポートの抜去を要した。内訳では、感染が18例、カテーテルまたはポートの閉塞が10例と多数を占め、いずれも抜去または入れ替えを行った。また皮膚潰瘍・創し開の5例中4例で抜去を要した。ポートが皮下で回転した4例中、3例は用手的に整復された。その他、カテーテルを留置した静脈の血栓閉塞が3例、カテーテル先の目的血管からの逸脱が3例に発現した。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jsmo2012/201207/526098.html

入れた後の合併症は1割くらいですね。そのなかで内訳は

・感染が42%

・ポートのつまりが23% この二つになった人は抜去か入れ替え

そのほかが皮膚がじゅくっとしたり、皮膚の下でポートが回転(えぇぇ…手で戻せるらしい)、血管に血栓ができたりカテーテルが血管から抜けてきたり。

という感じです。

みんなはどう?CVポートアンケートまとめ

使った皆さんの感想、まとめてみていきましょう!

アンケート結果のリンクはこちらから、キャンサーネットジャパンさんの乳がん体験者コーディネーター養成講座を受けた方対象のアンケートを引用しながらコメントをしていきましょう!

89%の人が、皮下埋め込み型ポートを知っていた。

知ったきっかけは、医療者から知った人は24%にとどまり、がん体験者やがん友達、家族などから情報を得た人が多かった。

わたし
わたし

わたしも先生からはお話はありませんでした!

皮下埋め込み型ポート使用経験者は11%だった。

使用経験者(16人)の69%の人がQOLの向上を感じていたが、異物感、邪魔に感じる、見た目が気になる人、気にならない人がそれぞれ約過半数であった。

わたし
わたし

記事で手前に載せましたが、8割の人がまた使用したいと答えているんですよね。

皮下埋め込み型ポートのイメージは、ポジティブ、ネガティブ、その両方のイメージが各3割程度となり、「怖い・痛い」「異物」「感染症」「進行がん」などのキーワードが見られ、今後、使ってみたいと思うかは「わからない」という回答が54%であった。

わたし
わたし

出てくるキーワードは、わかるなーって感じですね!私は「異物感」がこの中では一番でした!

CVポート体験談

最後にCVポートの体験談の動画を

本当は近くに体験している人がいたらいろいろ本音を聞いてみたいですね!

それで私はどうしたか

で、わたしですがMRIの日先生に…

わたし
わたし

先生、ところで治療長く続くと思うんですけど、CVポートってどうなんですか?

T先生
T先生

あー、僕ね 失敗しないから大丈夫!

リアル大門未知子かー!!!!!www

まとめ

・CVポートとは、主に鎖骨あたりの皮下に埋め込む500円玉くらいのシリコンの塊とカテーテル

腕に点滴をとるときの失敗、血管外漏出、痛みなどの心配を取り除いてくれる

CVポートは局所麻酔のプチ手術で5万円くらい

合併症は1割弱で感染などで、通常数年使える

8割の人は機会があったらまたCVポートを使いたいと言っている

・私の主治医は大門未知子w

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